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ビデオ近況報告 2017年7月19日取材
*近況報告(2017年7月19日取材)
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こんにちは。松本文明です。ご無沙汰をしております。
6月は、国会の終盤から都議会選挙、そして、その後の国会の動きを始めとして、大変多忙な日々を過ごしてきました。まったく、頭と心に余裕のない日々を送っておりまして、「これでいいのだろうか?」と反省を強く持っております。
国会終盤で加計学園、森友学園の問題に隠れて、テロ等準備罪などの重要法案の可決というのがちょっと矮小化されていると感じます。
小池東京都知事の大勝利から都議会議員選挙へと、そのまま流れ込んだ感があります。この選挙中に我が党議員等々による、秘書の人権侵害といったびっくりするような事件、あるいは、防衛大臣の応援演説の内容の吟味、下村東京都連会長の献金の課題というのが十分に咀嚼されないまま、「自民党は悪者」というような状況の中で都議選が行われました。大変残念だったなと思います。
テロ等準備罪については、多くの反対意見がたくさん報道されました。しかし、テロが世界中で起こっているという事実、それが日々増えているという事実に対して、日本の法律も他国並みの厳しいものに整備しなければいけないということは当然のことだと思っています。こうしたことを国民の皆さんに、今後もきちっと説明をしていく責任というのは、大変大きいと強く感じています。
都議選が終わってから、敗北の原因、敗戦色が党内に漂っています。これを1日も早く払拭をして、国民の信頼を取り戻した上で、今やるべきことを前に進めなければならない。そんな焦りにも似た思いを抱くこの頃です。
「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法について
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日本の法体系では、犯罪を準備した段階で取り締まることはできず、犯罪を起こしてから初めて逮捕、検挙し、法の裁きに委ねるということでした。しかし、これでは爆弾テロで殺された後でなければ捜査ができず、国民が安心できる社会を作ることができません。世界各国の大勢に合わせて、人を殺傷する、人の財産を壊滅させるといったような目的を持って火薬・拳銃・手榴弾などを準備している段階で、その人たちを拘束・検挙できるというふうに、今回大きく変えたということです。
これを、民間人が理由もなく警察の捜査対象になるかのように喧伝されている節がありますが、テロを起こそうと思って準備するというのは、武器を用意をするということですから、武器が大量に用意をされた段階で取り締まれないということの方がおかしいのであり、一般の人がそういう武器を用意することはまず考えられません。武器等が用意をされて、犯罪やテロの計画があると判断をしたときに検挙して調べるというのは、今の時代、当然のことだと思います。
天皇の退位等に関する皇室典範特例法案について
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私たちの国は天皇を中心として長い歴史を重ねてきました。戦後、憲法で天皇が日本国民の統合の象徴となりましたが、天皇は亡くならなければ、新しい天皇が即位されないというのが皇室典範の原則でした。これを、天皇が途中でお辞めになるということに対して、皇室典範を基本的に直してそれが出来るようにすべきではないかという意見もありましたが、今回は現天皇に限って、天皇のお言葉を伺って、きちっと応えるという特例法ということにさせていただきました。国民と共にある天皇の即位、退位については、これから議論をしていく必要があると思っています。
また、この国は男系天皇ということになっていますが、女性天皇を将来許容するのか、あるいは、宮家と言われる皇室を今後どうしていくのか、国民の議論の中で自然に決まっていってほしいと思います。国論をニ分、三分するような議論はこの問題にふさわしくなく、静かな環境の中で学識経験者が、皇室の皆さん、陛下のお気持ちを大切にしながら考えていくべき課題だと思います。今回、特例法として成立をしたということは大変嬉しく思っています。
アベノミクスをはじめとする政策の成果と自民党の信頼回復について
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第2次安倍内閣がスタートして、4年数ヶ月が経過しました。その間に、株価は8,000円台から、今や20000円台をうかがい、有効求人倍率は47都道府県で1をはるかに超えて、バブル期以上に人手不足と思われるような状況になりました。一時、すごい勢いで増えていた非正規雇用にもブレーキをかけることができました。毎年、個人所得が減少していたサラリーマンについて言えば、間違いなくベースアップ軌道に乗せることができましたし、倒産件数もこの4年間で極端に減少しました。不況の中で悩みを抱えて自殺をされる方々の数も極端に減少しました。そういう点で、安倍内閣スタートの時の「成長する経済を取り戻して雇用を確保する」という約束は、ある意味、間違いなく果たされつつあると私どもは自負しています。
一方で、あらゆる産業がすべて伸びているかというと、伸びていない産業もあります。中小零細企業にあっては、人口集積があって賑わいがある地域の商店街はそれなりの潤いを見せていますが、過疎地域の商店街は、未だシャッターが開けない状況にあります。必ずしもアベノミクスが100%ではないというのが、今、明らかになってきていると思います。ただ、経済規模を拡大基調に乗せることができたという意味では、アベノミクスは大変な成果を上げた政策だと思います。
そういった中で、自民党や内閣のなかに、奢りや慣れ、緩みが目につくようになりました。大きなマイナスの話題になってしまう事件も起きました。それが、今、都議選の敗戦と相まって、急激に安倍内閣から支持率を奪っていると思います。
しかし、私個人としてはやはり、安倍内閣が掲げたアベノミクスを中心とした政策、科学技術・イノベーションといった政策、国際法を遵守しながら地域の安定に努めるといったような、安倍内閣が高く掲げている政策には何ら間違いはないと思います。外交分野、国防分野においても大きな成績を上げていることをしっかり評価していただけるように、時間はかかっても愚直にやるべきことをやって、成果を上げながら、国民に向かって語り続ける努力が大切だと思います。これを続けていくことによって次の展望を開いていくしか、道はないと思っています。
選挙区の変更
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日本全国で一票の格差について、「憲法違反ではないか?」という訴訟が起こりました。これは選挙のたびに長年に渡って続けられた訴訟ですが、ここ数年、最高裁判所から、「選挙が無効とまでは言えないが、違憲状態になっている」という判決をいただいてきました。これを受けて、本来なら国会が自ら新たに選挙区制度を決しなければいけないのですが、各党、各会派が長年に渡り話し合いをしてもまとまらないということで、議長のもと、専門家の皆さんに検討していただき、その答申には国会として謙虚に従うということで、去年、法律ができたわけです。
その法律に基づいて専門家の皆さんが検討した結果が今回示されました。それについて、個人的にはいろいろな思いがありますし、今後、憲法改正してでも直さなくてはいけないなと思うところはありますが、示された結論には粛々と従うしかないと思っています。
私の選挙区は、中野区と渋谷区と2つの行政区域をカバーしていましたが、今度は、中野区の1部、渋谷区全域、杉並区の1部、目黒区の1部、品川区の1部となり、行政区としては5つ、それも行政区の住民全員が第7選挙区に位置づけられているのは渋谷区だけということになりました。本来なら、行政区は分断されない方が有権者にとっても立候補者にとっても望ましい。しかし、1票の格差がすべてという今の憲法の規定になると、こうしたことが起こっても仕方がないのかなと思います。
もしこれをこのまま続けるのならば、東京のように人口が集中する地域にはたくさんの選挙区ができ、一方で、人口が減少している地域については選挙区がどんどんなくなっていきます。人口が少なくなったところは「1県で1つの選挙区が持てない。じゃ2県で1つの選挙区、1人の代表者…」ということがどんどん起こってきますね。
しかし、今、国に求められている地方創生という大きな柱があります。それぞれの地域の発展をどう期していくのかといったことについて、地域を代表するという意味が薄れていくのではないか?これらの点については、しっかり議論をしていかなくてはいけないところです。
選挙区の変更により自宅が選挙区外に 支援者の皆様の反応
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今回の変更によって、私の自宅が選挙区から外れてしまいました。地元の方は、お怒りになっている方もいらっしゃいますし、「大変残念だ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、きちっと話をしたら、「うん、しょうがないね。だけど引き続いて松ちゃんを応援するからね」とおっしゃってくれていて、大変温かいなと思っています。今後は新しく選挙区になったエリアの開拓に全力で取り組んでいきます。
ただ、これまでの町会の数、中野区と渋谷区を足して220~230だったと思いますが、それが一部ずつとはいえ3つの区が増えるわけですから、大変な数になります。今まで親しくお呼びをいただいた町会や商店街の新年会、盆踊り、催し物、そこで皆さんからいろんなご要望を聞いたりする機会があったんですけれども、とても今度は1人ではカバーできない。お祭りも同じ日に数が増えるわけですから、私の方が一生懸命動いても、「なんだ、松ちゃん、今年は10分で終わりか?」みたいなお叱りは覚悟するしかないなと思っています。
集中豪雨被災地対応、災害対策
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九州北部の今回の災害の中に、私が地震の時に最初に駆けつけさせていただいた熊本も一部入っていまして、まだ復興が緒についたばかりの時期にまた水害かと思うと本当に心が痛みます。
広島や大島の土砂災害の時もそうでしたが、「かつてない水害」「かつてない雨の降り様」といったことが報じられています。しかし、日本国としては、もうこれだけ毎年どこかで災害が起こっていることを考えると、それぞれの地域においては何十年に1度の災害ですが、国としてはもうそんなことは言っておられません。
今度の災害については、政府、党本部も含めて、スピーディーに対応できていると思っております。早期に激甚指定をしました。災害が発生した日に「国がこうするから、心配をしないでみんなでがんばりましょう」というメッセージを発信したり、自衛隊、全国の消防、警察関係の皆さんが現場に赴きました。過酷な、二次災害があるかもしれないという危険な地域で、今までの経験を生かして、スピーディーに活動していただいています。現場に派遣をされた皆さんには心から感謝をしますが、経験を積んできた分、対応が早くなっていると思います。
ただそれでも、被災に遭われた方々のかゆい所にまで手が届くような支援になっているかどうか、心配と自戒をもって、対応しければと思っています。
昨日(7月18日)も東京都内で大きな雹が降りました。世界中が異常気象の中にあって、いつどこで何が起こるかわかりません。東京都内の下水等は、全般的に、50ミリ対策、つまり、1時間に50ミリまでは大丈夫いうことですが、今やそれが80ミリ、100ミリやっても届かないということですから、とりわけ古い下水管の敷設替えとか、雨水桝の大型化、貯留池等々の整備は急がなくてはいけません。財源に限りがある中で、首都圏直下型地震にも備えなくてはいけません。
そういったことをしっかりやりながらも、一方で、住民の避難計画については、東京で言えば区市町村にお願いをして、どれだけリアルに想像して、そのための訓練をやっていただけるか?訓練をやる際には国がしっかり応援し、自衛隊の参加も必要性や希望があれば考える。災害対策には手を抜くことができないと思います。
東日本大震災被災地、熊本の復興について
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福島の場合は原発という大変厄介な事故現場があります。このためにまだ地元に帰れない、立入り禁止区域がまだあるんですね。解除になっても、やっぱりお子さんをお持ちの父兄にとっては、「心配でとても帰れないよ」ということがあります。
また、ある一定の人口がそこに集積しないと、商売を始めても仕入れた分が売れないという悩みもあります。そういうことに対して、地元の区市町村長さん、議会の皆さんが懸命に知恵を絞って、ご努力を頂いています。そして、そのご努力に対して、国は間をおかずに、フォローをずっとし続けています。
したがって、原発事故のあの現場を除けば、生活インフラはほぼ復興し、それぞれの街で。望を持ってそれまで以上の街づくり、事業に努力を重ねていただいています。
今、各首長さんからの「この分が足りない。国がやってくれない?」といったような強い声は圧倒的に少なくなり、「ありがとうございます。でも、来年はこういうことでやりたいから、これだけの予算をここにつけてほしい」といったような前向きの要望があり、それには的確に応えていると思っています。
熊本自身についても同様です。県知事、副知事とも親しくさせていただいていますが、「熊本城の復興、まだ形になってないじゃないか」とか、「聞くところによると田んぼがまだ完全にできていないそうじゃないか」という話を現地のスタッフに向けますと、「先生、スーパーマンじゃない限り、そんな先生の言うように早くできたら誰も苦労しませんよ」っていう声が帰って来るぐらいですから、まずまず復興計画というのは順調に推移している。
もちろん順調にいっていない部分もあります。たとえば、福島の放射性物質の中間貯蔵庫が、思ったスピードで進んでいない、とか。そういうのもありますけど、それも国が協力を渋っているとか、行政が停滞をしているからということではなくて、使用する土地の持ち主が不明であるとか、なかなか地域の協力がいただけないとか、地域の意見がなかなかまとまらないとかいうことによるいろんなところでの遅れというのはあります。ありますけれども、総じて順調にいっているという風に私は承知をしております。
北朝鮮問題と日本の防衛力について
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北朝鮮については、世界であれほどいびつな国家はないと思います。自国の国民をどうしてもっと豊かにしよう、もっと楽な暮らしをさせようと考えないのか?しかし、ああいう国がそこに存在している、そして、そこの指導部が「自国の存立の基盤は、核しかないんだ」と信じている節がある。それをどう変えていくかというのは至難の業だと思います。
ただ、話し合いに固執して、こちらが備えをしておかないということは、責任ある政府とは言いがたい。
日本においては、大陸間弾道ミサイルではなくて、普通のロケットの先に核をつければ日本中どこでも爆撃をされてしまう。それに対して100%の備えをしても、実際には 20%くらいしか守れないということがありますが、今考えられるあらゆる努力はしなくてはいけない。
しかし、これも予算があることですし、世界の国々の了解が必要です。「日本は、北朝鮮を理由にして軍事国家の道を歩んでいる?」と思わせるようなことはできない。世界の国の助けを借りなければ、日本をすべて守りきることはできないのです。
今、世界で何かがあったときに、一国だけですべてが解決できる国はないと思います。ですから、福島の原発事故のときに、世界からたくさんの応援が入ってきたし、技術的な進言もいただいたし、世界の核にかかわる科学者が「フクシマを助けるために何かできないか?」と心を砕いていただいた。そういう日本に対する信用力、信頼力というか、「日本と一緒にやっていこう」と思ってくれている国々を裏切るような軍備を日本は持つべきでない。
が、しかし、日米の安全保障条約を中核において、日本人としてできる守りはしっかり固めていかなくてはいけない。そのための法整備はやってきたわけです。あの法整備によって「日本が世界中どこでも戦争できる国にした」とか、いろんなご批判をいただきましたが、あの法律のおかげで米軍との共同演習や、情報共有が格段に進みました。
秘密を保護する法律を作ったときにも、「必要な情報を国民に開示しない秘密国家になるのか!」といった大変なご批判をいただきました。しかし、日本にあの法律ができて初めて、米軍はすべての必要な情報を日本に開示をしてくれるようになったし、ヨーロッパからの情報もお互いに開示できるようになりました。そういったことを含めて、日本の防衛力というのは、ここ4年間で数段上がっていると考えています。
サイバー攻撃対策
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サイバー攻撃対策というのが、今、喫緊の課題です。たとえば、新幹線や山手線という運行ダイヤというのは全部コンピュータ管理ですね。飛行場もコンピュータ管理。で、このコンピュータのシステムに入られて、プログラムをめちゃくちゃにやられると、もうその時点で甚大な事故、被害が出ます。
世界中がサイバー攻撃をどう防ぐか?について日夜研究しています。一方、どう防ぐかということは、どう攻撃するかっていうことの研究でもありますね。日本の場合は攻撃はありえないですが、どう守るかという研究は一生懸命やってます。しかし、攻撃側は日々進化してくるので、コレだけやれば終わり、という世界ではありません。対策のための体制を、数十人でやっていたのを、数百人規模にし、数千人規模にし、数万に規模にしていかなくてはいけません。
同時に、すべての情報を扱う人たちに、サイバー攻撃の危険性を意識させる教育も必要です。今まで思いもよらなかった「時代のコスト」が必要になってきています。
日欧EPA
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EEU には5億の人口があるんですよ。そこと貿易をしないという手はないんですね。ところが、今までヨーロッパの人たちは日本との貿易にそれほど重きを置いていなかった。たとえば、工業製品は、ヨーロッパは7割に関税をかけた。逆に、日本に入ってくるものって言うのは、日本は3割にしか関税をかけてない。だから、日本はものすごく不平等な条約に甘んじてきたんですよ。それでも、不平等な関係であっても、日本の自動車産業、化学製品といったものが圧倒的な競争力を持っていたから、それだけの関税をかけられても貿易をしたほうがいいから、それに甘んじていた。
ただし、農業分野においてだけは、日本はあらゆる産品に高い関税をかけてきた。それは、自給率が落ちていき、農業従事者がどんどん減少していき、「このままだと食料の自給率は持たなくなる」「農家の皆さんが豊かな暮らしができません」という値段ではどうにもならんということでやってきたんですね。それを安倍内閣になってから「強い農業をつくるんだ」「日本の農産品は世界中どこに出しても、味、製品の質は世界一なんだ」という誇りの中で、世界に輸出をしていこうという方向に政策転換したんです。で、「輸出で利益が得られるように力をつけるまでは関税は守ります」というのが農家への自民党の約束なんですね。ですから、そこを守りながら、工業製品は日本に不利だったものが関税ゼロ、日本と同じ程度にまでもってこられたというのは非常に良かった。
これができたというのは、日本が TPP、アジアの中での経済圏を作るのに、日本主導でやられてしまう可能性があるから、アメリカと日本の関係をなんとしないといけないという、ヨーロッパが始めて交渉に乗ってきてくれたということで、TPP交渉の成果です。
そして、ヨーロッパでつくられる国際標準、ルールについて、日本の意見をしっかりと入れ込むことができるというのはものすごく大きいと思います。日本の工業会がしっかりものを言って、「日本が先にこれを考案して作ったんだから、これは日本の特許に従うべきだ」というようなことをきちっと話ができる、大きな転機になった。
ヨーロッパ5億の市場が開かれた。私はものすごく大きな成果だと思いますね。メディアは農村や漁業の不安だけをあおるような伝え方が多いけど、私はそうではないと思っています。
科学技術イノベーションの発展
日本の準天頂衛星の打上げが順調に進んでいます。今年6月にみちびき2号、8月には3号機が打上げ予定です。日本の人工衛星を打ち上げるロケット技術というのは、世界で最も安定している技術の一つです。もっと誇らしくみていただきたいし、メディアでも大きく扱っていただきたいですね。
今後、7機の衛星が常に日本の上空にいて、その発する電波を受け止めることができるようになると、カーナビの誤差がなくなるどころか、自動運転車両の正確さがグーンと増します。あと10年もしないうちに、トラクターも自動化し、自分の立ち位置が正確に把握できるので、目の見えない方がホームから落下するというような事故も防げるようになります。
また、天気予報と連動すると、もっと正確な雨量予測、降雨量の把握ができて、「この川の下流では何時頃にどれくらいの水位に達する」といった情報の正確性が一気に高まります。
他の技術についても、たとえば、離島における遠隔授業。これは先日視察させていただきましたが、与那国島で小学生の教育現場に導入したところ、学力がドーンと上がったということでした。行政の現場でもテレワークが普及すれば、もっと効率的な行政運営ができます。
災害現場でも、スマホを使って、家が流されている写真を役所のコンピュータに送信・記録させて、家主が確認できれば全壊扱いとされるようになれば、被災者の方も行政の担当者もお互いが大変なときに、何回も足を運ばなくてもすむようになります。
保育園の申し込みに行って、第一希望はここ、第二希望、第三希望・・・全部手書きですよ、あれ。そういう手間を、行政サービスからなくしたいと思っているんですね。マイナンバーカードがあれば、提出してかざすだけで済んでしまう。
ビッグデータや人工知能を含めて、日本の優れた科学技術をどんどん国民の利便性の向上に使いたいと思っています。
もやし・豆腐 零細企業を守るために
もやしとか豆腐の生産者の方々は、ものすごく零細なんですよ。そこに対して、「うちはお前のところの商品を買ってやってるんだからいくらで売れ」みたいな指値になっているわけですね。問題は、「こういう事例があるから、なんとかしてください」と証拠をつけて公正取引委員会に出してくれれば、すぐ解決の糸口は見えてくるんですよ。ところが、それをなかなか怖がってしまってやってくれない。抜け駆けをする業者もいる。
だから、まず業界がきちっとまとまっていただくことが大変重要ですね。豆腐について言えば、「これはどこの大豆をどれだけ使っている」という消費者表示をやろうと言うことでがんばっていただいている。もうすぐそれができるんですよ。そうすると同じ表示のものは「これはいくらコストがかかる」というのが出てきますよね。そしたら、それをコスト割れで無理矢理売れとかというのは、これはもう公正取引委員会の罰則規定がかかってしまう。
もやしのほうはそういう道はもう既に作ってあるから、それにもやしの団体さんが「よし、これでいこう」と決めてくれないといけない。もし、ある業者さんが、「余計なこと言うんじゃないよ、俺はその値段で十分ペイできているんだ」みたいなことを言い出したら、それでも団体が「じゃ、それでいいですよ、お付き合いください」と言えるかどうか。実際に、その業者さんがいくら頑張っても、すべての需要をまかなうだけの生産力はないと思う。
そこら辺の団結をどうしていくか?という課題。これは生産者側の課題ですね。いつでも公正取引委員会はドアを開けて、「悪い奴を捕まえますよ」と待っています。業界できちっと団結してもらいたいですね。