- Home
- ビデオ活動報告 2015年3月24日取材
ビデオ活動報告 2015年3月24日取材
松本文明 活動報告
松本文明は、現在、自民党国会対策委員会副委員長、そして、厚生労働委員会、災害対策特別委員会、憲法審議会の委員として
活動しています。それぞれの委員会がどんな役割で、どのような仕事をしているか聞いてみました。
その他、活動報告とあわせてぜひご覧ください!
[国会対策委員会]
Q 副委員長をつとめている「国会対策委員会」の役割は?
国会対策委員会は、国会の質疑、論戦の日程を決めているところで、大変重要な役職、委員会です。国会開催中に100本を超える法案が提出されます。法案を成立させるかどうか、各党が論戦をのぞむわけですが、論戦が延々と続いて結論が出せないという国会であってはいけないですね。それぞれの意見を戦わせながら、国民にそれぞれの党の考え方をしっかりご理解をいただいて次の選挙に生かしていただく。そのために各委員会の審議日程を各党と折衝しながら決めていくという役割があります。
Q 日程調整がうまくいかないことも多いのでは?
今回も、予算案を3月31日までに成立させなければ国民の暮らしに影響が出てくるということで、なんとか審議促進を野党の皆さんにお願いをしましたが、少しずれこみました。
予算については衆議院の優越性が憲法で認められているので、参議院で決をとらなくても4月12日には自然成立をします。
でも、4月1日から12日までの間、その間を埋める臨時の予算を組まなくてはいけません。これだけは必要だという部分については組みますが、新しい事業についてはスタートが12日間遅れることになります。ですから、質疑が遅れるということはやはり避けなくてはいけないんですけども、私たちが野党であった時代にもやはり予算の成立が遅れたことがありました。与党がやろうとしていることに対して、これだけは阻止しなくてはいけないという野党の立場もありますから、なかなかスムーズにいかないこともあります。
Q 国会審議に必要なことは?
これだけ時代の流れが速い時に、国会審議だけが非効率的だというところが多分に見受けられるので、国会改革というのは絶対に必要だなと思います。これは単に議員の議席を減らすとかいうことだけではなくて、やはり質疑を国民の前で、お互いに効率的に議論を展開するというシステムを構築しなくてはいけないということを痛切に感じていますね。
[厚生労働委員会]
Q 厚生労働委員会で扱うテーマとは?
国民の皆さんの関心が高い医療、介護、年金といった福祉施策全般を担当している厚生労働省を中心に議論を展開しています。
今回の予算は、97兆円とかつてない大規模予算になっています。これだけ大きな予算を組まなければならないというのは、高齢化社会の進展とともに、福祉関連の財政需要が増えてきているということの結果なんですね。そして、国民の皆さんの「社会保障制度を充実させろ」という要望に応えていくことが私たちの約束の実現にもつながっていくわけですから、そういう意味でも、一番、国民の暮らしに近いところを担当しています。
日本には、お医者さんがいない地域もありますし、十分な医療ができない地域もあります。被災地などで医療が十分に行われているかどうかも、しっかり心配りをしていかなくてはいけません。しかし、医療費がどんどん増大していくと財政がもたなくなってしまいます。ここをどう折り合いをつけていくかということも、この委員会でしっかり決めていかなくてはいけないことです。
また、女性が働きやすい環境整備については、その代表例として、保育園の待機児童ゼロをどれだけ早くするかということも担当しています。
それから高齢者介護の問題も大変深刻な状況があって、特に東京のように隣近所との付き合いが希薄になっている地域において、一人で暮らしているお年寄りの方々にどうやって気を配っていくのかというようなところもこの委員会でしっかり対応しなくてはいけません。
介護施設もリハビリ施設も足りていないし、老健施設も十分とは言えません。この現実を前にして、それらにどのように応えていくかについても質疑されています。
働き方については、今、労働者派遣法改正案という、派遣社員の皆さんの立場をしっかり守るという法律を提出しています。野党には「この法律によって一生派遣社員で終わるのではないか?そういう日本の環境を作ってはいけない」という強いご意見をお持ちの方が多いのですが、現実に派遣で働いている方々やパートの皆さんの立場をしっかり守らなければいけません。同じ労働であれば同じ賃金が払われる、そういう日本にしていかなくてはいけない。そのようなことを毎日議論しています。
Q 介護現場の日常については、介護する方・される方、双方に厳しい現状がありますが、具体的に議論されている内容は?
介護現場においては、アロマやペット、最近ではロボット・ペットで心を癒して効果を上げているところもあります。そこに寄り添う介護士さんたちが疲れ果てていると、どうしても顔に出てきて、言葉がきつくなりますね、人間ですからね。それを助けるための介護向けロボット、例えば、重いものを軽々と移動できるような機器の導入の必要性は誰もが感じていることです。
私たちは、介護機器を開発するイノベーション力というか、日本の技術力で経済発展につなげていきたいと思っています。ですから、そういう分野の研究開発への予算を、組んだところです。
昨今、施設の中で体を縛り付けて本人に暴力を振るっているというような事例が新聞等々で出てきますね。非常に悲しいことで、こうしたことだけは許してはいけないと思っています。
Q 介護の現場では特に人手不足が叫ばれています。対策は?
とにかくマンパワーが足りません。そして、介護士さんが、結婚をして子供を持って、そして、社会に役立ちながら介護という尊い仕事をしながら、自分の人生を夢見るだけの給与が払われてないという現実があるんですね。だから、私たちは、「今年1万2千円上げるんだ」ということで予算や制度の中に組み込んでいますが、それでもとても足りないと思っています。そして、その財源をどこから調達をするのかが一番難しいところで、消費税が10%になったとしてもそれでもまだ足りない。
こうした分野に税をどれだけ投入できるか?それは日本の国力そのものだと思います。経済規模が大きくなり、税収がたくさん入ってくればそうした分野にどんどん支出できる。国の財政にもお金が入ってこないとサービスの充実に向かわないわけですから、どうしても今やっている経済政策をもっと前に進めなくてはいけないと強く思っています。
Q 委員会が開かれている時間は?
それぞれの委員会で定例日が決まっていて、厚生労働委員会は火曜日と木曜日に開かれます。開かれるときは一日、6時間から7時間の審議ですから、結構長くて集中力を保つのが大変ですが(苦笑)、がんばっています。
[災害対策特別委員会]
Q 最近、さまざまな自然災害が多く発生していますが、災害対策特別委員会では議論が行われている内容は?
昨年は、特に災害が多く、かつて想像していなかったような災害が各地で起こるようになりました。降る雨を防ぐことはできません。しかし、土砂災害は、砂防ダムをつくることによって、ある程度、勢いを減ずることはできる。河川は堤防を高くしたり、強くすることによって、河川の逸水による被害は防げる。そういった減災、つまり、災害を小さくとどめるための対策をどうすべきかを議論をしています。
Q 首都圏直下型地震が起こる可能性が高いと言われていますね?
「首都圏直下型地震は、30年以内に70%以上の確率で起こる」というのが日本の専門家の予想ですね。地震が起きた時に災害を小さく閉じ込めるための対応はできないのか?できるはずなんですね。
例えば、国土交通省の調査によると、中野区は木造の建物が密集している地域で、火災に最も弱い危険地域だという調査結果が出ています。であれば、そこに暮らす人たちに、「皆さんがお住まいのところは火災に弱い危険なところなんですよ」ということをまず周知をすることが第一。二番目には、「皆さんが家を建て替えていただくときには、火災に強い不燃の建物をお願いします」ということは言わなくてはいけない。
そして、逃げ道を確保できる道路を作ることが必要ですね。電柱が倒れると逃げ道もなくなるし、救出車両が入っていけない。想像力を働かせて、対策や準備をしていく。それを、「国交省はきちっとできていますか?」「厚生労働省は、医療班を派遣できるように準備をしていますか?」「自衛隊はどうですか?」「警察庁や消防庁はどうですか?」といったことについての議論が盛んに行われています。
Q 東日本大震災の後、災害対策はどのように変化している?
例えば、通信会社から個人が特定できないような形でデータを求めて、それをコンピュータの画像の中に落とし込んでいくと、3.11のときに、電車がいつ止まったのか、車や人の流れはどうだったか?というのが全部地図の中に出てくるんですね。
例えば、人が最も多く歩いた道路はどこだったのかがわかると、「その道路には水を用意したり、途中で疲れた人たちに休んでもらう場所を用意したほうがいいね」となります。それはどこに必要かというのが一目瞭然ですから、優先順位をつけることができます。そういった災害をできるだけ小さく閉じ込めるための対策を懸命に議論しています。
また、去年は、雪害、豪雨災害、御嶽山の噴火災害がありました。こういった現場にそれぞれ対策本部を設けて、初期対応して、今、それぞれの地域が復興に向かって動いていますね。復興のための予算を審議するのもこの委員会です。そして、それぞれの災害をなぜ防げなかったというか、なぜここまで拡大をしたのかということを検証しています。
[憲法審査会]
Q 憲法審査会の役割は?
「憲法を変えたい」と思っている人、一方で、「一言半句変えるべきでない」と考えている政党があります。そして、その中間で、「環境権や国民の知る権利は憲法に書き加えるべきだ」という考え方もあります。今の憲法の好ましい部分と足らざる部分と、変えなくちゃいけないという部分をしっかり議論しましょうということで、各党間で集まって議論をしているのが憲法審査会です。
憲法をしっかり議論をして、やっぱり改めるべきものは改めようじゃないかというのが私たちの考え方です。今年、戦後70年経ちますが、世界中の国で、一度決まった憲法が一言半句変えられていない憲法というのは日本国憲法だけなんですね。まだ憲法規制素案を作っているのは自民党だけですから、ほかの党も自民党の草案をたたき台にするのではなくて、それぞれ草案を持ち寄って、どこをどういうふうに改正するのかという議論を突っ込んだことをやらないといけません。
ところが、これは立場が全く違うものですからなかなか前に進まないんですね。今は憲法9条がすぐ話題になりますが、憲法全体としてどこから変えていくかといったようなことを、一年後に同意できるところがあるかもしれない、10年かかっても同意できないかもしれない。そしたら憲法改正というのはないんですね。でも、改正派が衆参両院の3分の2を占めれば、国民に向かって「こういうふうに憲法を変えたいので、判断してください」と国民投票にかけます。で、そのときには「18才以上の国民の皆さんに投票権が与えられる」ということが今、やっと決まったところなんです。
この委員会も、なかなか開く時間が取れないらしくて、この3カ月では一回も開かれていません。
Q 総務大臣政務官時代に推進した「電子政府化」の進展は?
私が総務大臣政務官時代、外資系のコンピュータ関連企業やカナダの電子政府を視察させていただき、「ぜひこれを日本の各役所に徹底をしろ」ということを強く主張しました。で、政務官を退官して2か月後に、「行政管理局のオフィス改革が完成したので、ぜひ見に来てください」と言われて行ってきましたが、ずいぶんすっきりしました。
結果、紙が8割、コピーは7割削減できました。職員は朝、手ぶらで出勤し、自分のロッカーからパソコンを持って、フロアのどこの机に座ってもいい。自分の席を持たなくなったことで、非常に会話や意思疎通が楽になり、会議室を取らなくても、みんなのパソコンを同時に見ながら打合せができて、非常に効率が上がりました。机の上には何もない。パソコンだけ。そういう世界を作ったんです。
それはカナダ政府では、当然のように行われていることですが、日本ではまだ、説明資料が積み重なっています。私の席にも、もう1mくらい(笑)。あの中から2週間前にもらった資料を探し出すのは大変なんですよ。だから最近、私は、「説明に来る前に、メールで説明資料を送ってくれ」と言って私のパソコンに送ってもらって、プロジェクターを使って映して説明を受けます。そして「資料はおいて行かなくていいよ」と言っています。これは、作成した資料が、全部記録として残るということにもなります。「その記録はありません」ということはなく、何年たっても残ります。
公文書館の資料もそうですし、地方自治体の窓口、国の窓口で情報も電子資料として管理できれば、非常にサービスが効率的になるんですね。
Q マイナンバー制がスタートしますが、その狙いは?
マイナンバーの中に、個人の情報をどれだけ入れるかというのは、プライバシーとの関係で非常に厳しい論議があるんですが、収入の把握を正しく行うというのがスタートですから、その人の収入情報は入ると思うんですね。そうすると、収入が少ない方は、生活保護の申請にいかなくても、「あなたの収入では生活保護の対象になりますから、役所の窓口に相談に来てください」という通知が自動的に送られてくるようになるんですね。それによって、餓死をされる方々がいるというような悲しい報道はなくなると思います。
日本の行政サービスは、すべてが申請主義で、申請をして審査を受けて、初めてサービスを受けられる。そうでないのは選挙の投票権だけで、二十歳になったら自動的に投票権を送ってきてくれる。だからやはり電子政府というのは、そういう意味でもサービスの質を効率的にあげていきます。
Q 今年は、国勢調査にもインターネットが活用されますね?
国勢調査は、地域の皆さんが調査員となってボランティアで協力いただいているでしょ?留守がちなお宅にも、夜遅く行ったり朝早く行ったり、頭を下げて回ってくださるんですよ。インターネットを活用すれば、調査員の皆さんの労苦というのは減らすことができる。それを東京で5年前に実験をして、今度は全国で協力を呼びかけるところまで来ました。
私の進めてきた電子政府、少しずつではありますけど、確実に成果を上げている、そう思っています。
Q そのほか、関心の高いテーマを教えてください。
私の選挙区の渋谷区では、駅周辺の再開発事業が始まりました。中野区も中野駅周辺の再開発が一部出来上がりまして、西口の改札とか、南口の再開発といった計画があります。
渋谷区は、間違いなく日本の消費経済の一角を担っている地域で、日本という国を発信している地域ですね。ですから、渋谷の再開発が成功するかどうかというのは、世界都市・東京、ひいては、日本の将来に大きな影響を与える開発だと思っています。
昭和39年のオリンピックの時に東京を訪れた外国人の数が30万人だったそうです。そのときは30万人でもみんなびっくりしたくらいです。でも、去年が1300万人で、2020年の東京オリンピックの年には2000万人を超えるだろう、超えさせないといけないと思っています。その方々の大半が、渋谷、神宮前、原宿、青山通りといったところを歩かれたり食事をされたり、いろいろなことをされると思います。それはまさしく日本の姿そのものをみていただくわけですから、「もう一度日本を訪ねたい」と思っていただけるかどうか、観光立国の将来にとっても大変に大きいと思っています。
中野も副都心・新宿からわずか数分の距離にあって、今、2万人以上の人たちが通勤をしてくれるようになりました。その賑わいがあの地域の経済を一段アップさせてくれている。それがもう一段、二段とアップできる可能性のある地域です。この可能性が「50年後の中野」を決めていくのでしょうから、計画策定、そして、決まった計画を遂行していくために国や東京都の支援を積極的に導入したいと思っています。
Q 中野区では西武線の地下化工事も始まりました。
この工事に伴って、新井薬師、沼袋といった地域が大きく変貌します。それは駅前の広場だけではなくて、駅につながる道路の拡幅といった計画を中野区が積極的に進めようとしてくれています。これを助けるのが私の今の最も強い関心事です。
もちろん、そのことによってその地域の防災力がぐんと上がります。しかし、それがその町の賑わいにつながっていくために、どういう工夫が必要なのか?ただ機械的に図面を引いて道路を広くするということではなく、商店街の活性化、賑わいを持たせながら安全性を高めることがものすごく重要です。そんなことに強い関心を持っています。
Q 電線地中化の進展は?
「電線地中化促進法案」という法律案を作って、昨年の解散がなければその法律は成立していたんです。だから、どうしても今国会ではこれを成立させたいと思っています。これは各党の了解を得ながら私たちが努力をして作り上げた法案だと自負しています。
一番大きなポイントは、新しく作る道路には電柱の建柱を認めないとはっきり書いてあるところで、最初に地中化すれば一番コストが安く済みます。同時に、狭いところでも地中化ができるという実験を国土交通省もしてくれて、「できますよ」という回答をいただいたので、これをぜひ進めたいと思っています。
Q 通常国会の重要法案は?
今国会では、労働者派遣法の改正、そして、切れ目のない国防をやっていくための安全を確保するための国防法制、これが一番大きな争点になってくるだろうと思います。そして、4月の統一地方選挙が、安倍内閣の推進力を最終的に維持できるかどうかということが問われる大変重要な選挙になってきます。
皆さんに訴えたいことは、国の予算はすべて、地方自治体の窓口を通して国民の皆さんのところに届くわけです。地方自治体が自ら積極的に国が組んだ予算を自分のところに持ってきて、自分の区の計画として使いこなしていただけるかどうか、これが問われるわけですから、大変重要です。だから何としても渋谷区・中野区で、自民党の同志を勝たせたいと思って、毎朝駅頭に立っています!
Q 東日本大震災の復興については?
最初の5年間、集中的に復興を果たしていくための予算や計画を組みました。それが27年度で一応、ひと区切りつきます。今までの復興計画がうまくいっているのか?いっていないとすればどこなのか?今後はどこに力点を置くのか?ということを考えるのが今年の一年だと思います。
国が責任を持ってやらなくてはいけない国道、堤防、港湾施設などは、まずまず7~8割方できたのかな、と。そして、特別養護老人ホームだとか学校というような地方自治体の事業の要になってきた大型施設も、地元から要望や計画が出てきたものについてはすべて着工して国が責任を持って仕上げていきますし、港の市場の復興も出来上がってきたのかなと思います。でも「取引量についてはまだまだ」というところもあるし、「なんとか7割くらいまでは復興してきたよ」とかいろいろですが、そういったことを一つずつきめ細かく見て、次の5年間で手を打っていく、と。
ただ、国に一番重くのしかかっているのは、福島の廃炉です。この廃炉は、みんな経験をしていないわけですから専門家の知見を集めて、とにかく安全に展開していかなくてはいけない。これはなんとしても国民の皆さんの理解をいただかなくてはいけないことです。
あとは風評被害。全国の皆さんが協力をしてくれないと、福島のフルーツはいやだとか言っているようでは、とてもじゃないけど地元の復興は遠のいてしまいます。とにかくできる限り故郷へ帰っていただけるような環境を早く整えなくてはと思っています。