活動内容
11.182012
11/15 神明氷川神社での松本文明の演説(要旨)
いよいよ解散となる。しっかり地に足をつけてみなさんの期待に応えていきたい。
区議会、都議会、後援会のみなさまに長い間支えていただいて涙が出る思いがする。自民党 がいい時も悪い時もこの皆様さと一緒に政治をやってきた。
恥ずかしいことだけはやっちゃいけないと思っている。
*若い世代が夢を持てる日本を取り戻す
3年前、自民党は政権を失った。失うだけの理由もあった。有権者の心が自民党から離れてしまったことの反省をずっと思い続けてき た。
しかし、この三年間で、この国はおかしくなっている。
シャープは国内工場の30%しか稼働していないと聞いた。数千人規模のリストラがあ るともいう。パナソニック、ソニー同様である。日産自動車横浜工場も半年くらい前、ラインを止めてしまった。広島に視察に 行った方が、マツダ自動車を見学したがラインが一本、完全に止まっていたと言っていた。
ラインが止まるということは、配置転換はまだいいほうで、多くが職を失っているとい うこと。
来春、大学を卒業する学生の4割超がまだ内定していない。新卒で会社を辞めた人 を合わせると、毎年50%前後が社会に適応できない、働く場所がないという事態に陥っている。
生活保護世帯、これまで毎年70万前後で推移していたものが今、250万を超えている。それまでの3倍を超える生活保護 世帯がこの国にある。
この20年間、国民一世帯あたりの所得が減っている。東京で年収600万円以上 の世帯は、平均以上と思っていい。沖縄では250万くらいが平均所得。
若い世代が、今の手取りでは結婚できない、家庭がもてないという絶望感に襲われ ている。10年、20年後、自分が課長や部長になった時に希望が持てなくなっている。
商店街の方は、息子さんがいても継がない、と言う。昔は後継が両親の手伝いをし て、息子夫婦の給料を稼ぎで払えた。今はそれができないから、外に出て食い扶持を探せ、ということになっている。
今の若者に夢が持てるだろうか?
昭和30~40年代、モノを作ればなんでも売れた時代。就職列車で上野駅について集団就職し、蕎麦屋さんや肉屋さんなど ごく普通の商店街や工場の中で働いた。やがて独立して一国一城の主にもなれた。働けば働くだけ夢をもてた。「今年は冷蔵 庫、来年はテレビ、再来年は車を持とう」と家庭の中で夢が持てた。そういう夢がこの国から消えている。やはりこれを取り 戻さなければならない。
経済を活性化して、商店街で汗を流している人たちが夢を持てるほど稼ぎをもてる枠組みを作らないといけない。
円高をしっかり押さえこんで、日本の商品が国際市場の中でコスト面でも競争でき るような体制を組まなくてはいけない。
そのために、汗を流したい。
*経済力の復活
強い経済力が戦後の世界の中で羨ましがられるような日本を作った。この側面は大きい。どうして軍事力を持たない、1億3 千万しか人口のない小さな国が、これだけの信頼と期待を担う誇り高い国になったかというと、強い経済力があったからだ。 税収が伸びてきた時代、気がつけば国際連合の負担金がアメリカについで二番目になっていた。後進国の社会インフラづくり を支援してきた。北京の飛行場も日本の支援でできた。
軍事力ではなく経済力でやってきたそれらのことが、昨今できなくなってきた。国 に財政力がなくなったからだ。
かつて、石油、ガス、鉄鉱石などの必要な資源を、日本の商社マンが交渉に行く と、「日本はきちっと約束を守って支援してくれる国だ。だからまず日本に卸そう」となった。今は、「中国のほうがたくさ んのお金をくれるから」ということで苦労している。
強い経済を復活させなくてはいけない。
強いといってもバブルに向かって進んだ時のような大きな経済成長は望めない。地球がひとつの経済圏になってきた中で日本 だけ突出してというのは望めないが、少なくとも欧米程度、1年間で3~5%の成長をつくっていく。
わずかでも給料やボーナスが増えたね、という実感が持てる国へと変えていかない といけない。
政治に求められているのまず第一にそれだと思っている。
実現するために、ある部分では規制緩和が必要。また、ある部分では税制面の控除、研究開発費の損金算入も必要なこと。交 際費をもう少し認めれば営業活動費がでて飲食店は一息つけるのではないか?
また、欧米からは日本の金融緩和は遅いと言われる。私は金融緩和は賛成だが、ひとつ注意しなければならないのは、銀行に たくさんのお金が回っても中小零細企業に貸し付ける枠組み、金融庁の行政指導というものを緩めないと銀行はなかなか中小 零細企業にお金を貸してくれない。日本の中央銀行が金融緩和をしてもお金がまわらない実態を改めていかなければならな い。
*経済政策を打ち出さなかった民主党政権
なにより、この三年間、新しい政権で、経済成長戦略、景気対策が具体的に何をやってきたかということを、国民は誰も答え られない。
政府には「経済、景気をよくするためにこういう政策をとるから協力して欲しい」 という強いメッセージが必要だが、民主党政権はそれをやれなかった。
かつて、麻生さんのメッセージはわかりやすかった。「エコカー減税」、「エコ家電ポイント制度」、「高速道路の土日祝日 1000円にするから全国に出かけてお金を使ってください。タンスの中にしまっておいたのでは景気が良くならない」と メッセージを送った。
家を建ててもらえれば建築屋さんにお金が回り、多くの関連産業にお金が回る。そ のためにはローン減税を倍額にすると言ったのも麻生さん。そういう景気対策が自民党の最後の政権のときに打ち出された。 「まずは景気回復だ!」という強いメッセージを国民に送った。
ところが、鳩山内閣になったら自民党の予算が一部凍結され、そのうち一部生き残った景気対策だけ続けられた。最後がエコ カー減税のみ。民主党が新しく打ち出したものはない。
子供手当て、高校授業料の無償化など、家計にお金を入れたその分だけ家計が豊かになるという政策のみ。
しかし、現実には日本の国民総生産、稼ぎ出す富の総計が三年間で大幅に縮小し た。これが数字が表す現実。だから今、社会保障一辺倒、子育て支援一辺倒のマニュフェストから視点を変えて、みんなで日 本の経済を強くしていく、そして国民が今日より明日、今年より来年、夢を持って働ける環境をつくる。それが第一の公約。
そのために党の関係部会に出て大いに議論に参加をしたい。
*防衛、憲法をはじめとした法体系の見直し
二点目。
尖閣、竹島、北方領土。尖閣の接続水域に毎日、中国の巡視船が出没して24時間 徘徊している。日本の領海に入って、安心して漁ができる環境になっていない。
やはり、侮られた日本外交を立て直さなければいけない。
そのためには経済力の強い日本の復活と同時 に、憲法から来ている戦後の法体系を見直さなくてはいけない。
日本の自衛隊は、まず一発受けて被害を受けてからでないと防戦できないことに なっている。
かつてロシアの領空を飛んだ韓国の民間旅客機がミサイルで撃ち落とされたことがあったが、日本は、領海内を中国の潜水艦 が潜って航行していても攻撃ができない。自国の領海内を他国の潜水艦が潜っていた場合、3回警告しても浮上しなければ攻 撃をしてもいいというのが国際法の常識だが、日本はそれもできない。
中国やロシアが数百回、日本の領空を侵犯している。日本はどの辺りで気づき、対 応し、アメリカはどうするかという調査をずっと行っているのだ。
自衛隊は、ここは日本の空だから出て行ってください、ということしか言えないできた。これではまったく抑止力になってい ない。
そのことで東アジアのみならず、フィリピン、南沙諸島が騒がしくなった。フィリ ピンの浅瀬には、中国によって滑走路まで造られてしまった。そういうことをさせない力を日本が持たなくてはいけない。
そのためには自衛隊法を変えなくてはいけない。海上保安庁、自衛隊との関連法を 書き換えないといけない。自衛隊を変えるためには憲法を変えなくてはいけない。もちろん全部ではなく、関連の一部だ。
憲法改正というと、「平和、人権、自由、この3原則を全部変えて軍事国家を目指すのか?」と、かつての社会党、共産党は すぐにそれに結びつけてきたが、そういうことではない。必要なところだけは見直す必要がある。
戦後、GHQによって占領統治をされていた時代に、占領統治に便利な法体系、憲法、民法、刑法できあがってしまった。こ れをもう一度、これでいいのか見直し、不都合なところだけは修正をしなくてはいけない。
オスプレイの問題が話題になっている。危険な飛行機だから配備してはいけないのか?それより外国の軍隊がこれほど大きく 展開されているということの異常さについて考えて欲しい。首都東京に横田基地がある。日本の基地がワシントンの近くにあ るというのなら分かるが。
空にも交通ルールがあるが、日本の管制ができるのは4割もないと思う。それ以外 はアメリカの管制下におかれている。オスプレイがどこで訓練するかはアメリカが決めて日本に通告してくる。こんなことは 日本だけだ。
アメリカはヨーロッパにもアジアにも展開しているが、それは「米軍がドイツ、イ タリア、中東の基地を使ってもいい」という条約であり、基地そのものはそれぞれの国の管理下にある。
国内の米軍基地内で起こる犯罪に対して、ヨーロッパではその基地を管理している 国が裁くことができる。日本だけ、これだけ治外法権がアメリカに大きく認められているという問題点をしっかり考えてアメ リカと再交渉をしなくてはいけない。
しかし、その再交渉がアメリカとの間に軋轢をうみ、その狭間にロシア、韓国、中 国のような海上覇権主義を勢いづかせている。
この国は日本が守る、自衛隊がきちっと守るという法整備をすすめたうえで、友好 国アメリカとの関係をもちながら、ひとつずつもつれた糸をほどいて戦後結ばれた不平等な関係を徐々に正していくという努 力を忘れていはいけない。
かつて吉田茂が「この国を独立 させるんだ。この回復こそが日本、戦後復興への足がかりだ」と懸命に交渉を重ねた。アメリカは、「基地を日本国中で使わ せるのなら独立させてもいい」ということで不平等な条約を結ばされた。
そして、「独立国家としてこんな安全保障条約は耐え切れない」と強く反発して、 限られた地域のみにアメリカ軍の基地を置くことができるし、それを使用するにあたって大きく変えることについては日米間 で共有が必要である、というかたちに改正したのが岸さんの60年安保。あの時代までは戦後の独立をもっと確かなものに普 通の国の独立国家としての対応をきちっとしなくてはいけないという思いがこの国の政治家にあった。
ところが、日米安保条約、大変なデモ騒ぎになった後、池田勇人首相が所得倍増政 策ということで国民を経済という一点で団結させようと変わった。その政策は正しかったが、普通の独立国家としてこの国を 再建したいという熱い思いを、国民や自民党の政治家が怠ってきたツケが今あらわれている。
そのことを正して、まともな独立国家としての形を作るんだというのが安倍さんの 言う「戦後レジュームからの脱却」という言葉だ。
自民党の部会、バッジをつけたら必ずでて、自分の意見をしっかり言っていきたい。
*大都市・東京に必要な施策
三点目、この街から出させていただいているのでこの街のことを忘れてはいけない。
東大付属病院が更地になった。あそこに中野区の公園ができる。区民税で行われるかと思うかもしれないが、用地の取得費、 工事費の概ね50%は国費。25%は東京都の負担金、残りの25%は区民税。この区民税を東京都は財政調整基金から手当をつけて、中野区の区民 税で負担をするのが7%とか5%で行われている。
東京都に対して街づくり交付金、負担金を国が手当をしないとできない。そこに目配せをする議員が必要。
こうしたことはあらゆる分野に渡り必要な役割だ。
西武新宿線の踏切の架台、環状七号線以西の河川整備もできていない。
この街の下水、マンホールが古くなっており、昭和3、40年代に敷設されたもの の敷設替えが必要。場所によってはいずれ吹いてくるだろう。きちっとやらなくてはいけない。
今、中野の北口では一部再開発ができた。しかし、隣接している区民が使っている地域と接している 道路は2mしかなく、その道路に接して木造の家がずらっと並んでいる。再開発の必要がある。南口も必要。
戦後、あぜ道がそのまま道路になったため消防車が通れない道路もたくさんある。
こうしたまちづくりを地域の人たちがやろうとしたときに、街づくり交付金や国の制度をきちっと使えるかどうかが問われ る。
そういった国が東京都の公園予算、道路の維持管理予算、まちづくり交付金予算、 まとめておろすときに、国が都に対してどれだけ予算を割くかということを東京選出の議員がしっかり目配せし、発言をしな いといけない。
「東京は豊かだ」と地方の人た ちはみんな考えている。だから、法人税の分割基準を変えて、東京だけ余分に毎年3000億取られている。そういうことに しっかり発言しないといけない。
今、中野区で特別養護老人ホーム申し込んでも1000人以上が待っている。生きているうちに入れたら幸せという状態。
東京に必要な福祉と、北海道や沖縄に必要な福祉は違う。都市型の政策をきちっと作っていかなくてはいけない。
税制改革で、民主党や自民党の多くの先生が相続税の強化と言っているが、私は反対。
日本全国で100人の人が亡くなったら相続税が発生するのは4人だと言われているが、渋谷区民が100人亡くなったら5割の人たちに相続 税が発生する。千代田区、中央区はもっと高い。東京都民だけ過酷な税法。日本全国で1兆3千億円の相続税があるが、その 1兆円以上は東京で発生している。
東京選出の議員がやらなくてどうするか、そういうことにも大きな声を訴えたい。
まだまだ訴えたいことはたくさんあるが、時間 の都合でいくつかに絞らせていただいた。
この一ヶ月、皆様のお力をお借りし、ともに戦って行きたい。